「これは早々にそいつを回収して失礼するか」
「…俺?」
「!」
「危ない!部屋が潰れます!」
鴇と藍鼠を黒鳶が、緋褪を萱草が連れて脱出する。
「てめえは紅ちゃんと姐さん頼むぞ!」
「わーってる!」
紅鳶と鶴梅を連れて脱出する露草。
2人を見やり、嬉しそうな鴇
「鴇!前!」
妖をぶつけられ、落ちる鴇達。
白緑の攻撃は続く。
「鳩羽」と「すずめ」が交互に黒鳶に語りかける
「そもそも戦闘はお前の専門じゃねぇだろう
さっさとおもちゃ引っ込めて妹に助けてもらえ」
「お前は俺が鬼面を使う度に変容していく様を気にしてた。
人でなくなっていく俺に恐怖していたのは
その姿に妹を重ねてたからだ
俺が消えたとき本当はせいせいしたんじゃねぇ?」
「お前は薄情な奴だ。
俺が死んだとわかっても悲しみもしねぇ
敵も討ってくれねぇしな」
コロコロと緋褪が笑う
「ほ、ほ、ほ。ほんによう入れ替わる。
まるで本当に2人が話しているようじゃ。
夜行、お前の目的は我を同士討ちさせることなのじゃろうが
その手には乗らぬよ?」
「駄目か?そうか、難しいものだな
あいつ(黒鳶)が一番妖に対するあたりが強くて
少しあおれば火のつく性格だと思っていたが
そっちの(露草)も売られれば買わぬ喧嘩はないと調べがついていたのに」
「けっ!百歩譲っててめえの言う通りだとしても
そりゃあ少し前までの話」
「何せ今は、火がつくとわかれば慌てて消しにかかる
邪魔者がいるからなぁ!」
「…へ?」
「つってもこれでてめえと和解したわけじゃねぇからな!
鳩羽さんの件も後できっちり話しつけるから覚悟しとけよ!」
「はっ!そりゃこっちの台詞だ!
てめぇ調子こいて白緑に傷作ったらぶっ殺すからな!」
言い争う黒鳶と露草。
それを見て感涙する鴇
「そこっ!空気読まずに喜ぶな!」
2人揃ってツッコミ
「うえー無理です!ごめんなさい!」
「そうですよ、今はその涙はぬぐっておいてください。
貴方にはしてもらわなければならないことがあるんですから
あの妖にはあの大妖が 私たちには鳩羽さんとすずめさんが
大きな足枷になってしまっています。
彼らを封じる、あるいは解放する術を探してください」
「そんなこといわれても俺は…」
「萱草!」
萱草と緋褪のところへ飛ばされる鴇
「六合殿、今はしばらく周囲を忘れ、私の話を聞いてくだされ」
緋褪が見せるのは陰陽寮の昔。
「あやつら2人が消えたとき、追わぬが約束だった。
あやつらはそれぞれ己の思うように己が人生を終わらせたのだろう。
あやつらがたった一人、その身を葬られずに逝ったのは
あのように使われるためではない
あのように 辱められるためではない…!
六合殿、見えない糸を
死者をもてあそぶ呪いの糸を 断っておくれ…!」
―糸…
頭の中に ぴんと張った糸を思う。
ああ あれ だ
―ぷつん
がくり
「…今のは 何だ」
「やはり計算が合わない
やはり心算にない
やはり天網にない
そうかやはり おまえか」
「馬鹿!危ねぇ!」
夜行の暴走
かばったのは紺―
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露草と黒鳶がぁあ!
仲良く喧嘩しているぅ!(何だそれ)
この2人のコンビ、いいなあ
しかし露草はともかく黒鳶がなんか意外だ。でも良いよ。
白紙の者としての能力がまた一つ。
「帝天と同じ能力」ってやつでしょうか。
よく見れば天網も見えるんじゃなかろうか。
ラストに登場した紺。
美味しいところを持っていくねぇ
その後ろで緋褪をかばっている鴇。
どんなときでもレディファースト
さすが鴇(笑)